⬜︎ 四柱推命通信講座 第3講
通変星と十二運 ― 命式の中に現れる「人間模様」を読む ―
1. 通変星とは
通変星は、命式の中で「日主」と他の干との関係を表す星です。
つまり――
「自分(=日主)」が、他の要素をどう感じ、どう関わるか。
という人間関係の心理的な位置づけを示します。
十干の五行関係から、次のように分類されます。
ここを理解すると、「性格」「行動パターン」「才能」「人との関係性」まで見えてきます。
2. 五行関係による通変星の生まれ方
| 日干との関係 | 通変星名 | 意味 | |
|---|---|---|---|
| 自分と同じ五行 | 比肩・劫財/ | 兄弟・友人関係。自我・競争心・独立性。 | |
| 日主が生み出す五行 | 食神・傷官/ | 表現力・創造性・言葉・感情の発信。 | |
| 日主を生み出す五行 | 印綬・偏印/ | 学習力・精神性・援助・直感。 | |
| 日主を剋する五行 | 正官・偏官/ | 責任感・社会性・規律・仕事運。 | |
| 日主を剋する五行を制御 | 正財・偏財/ | 経済力・現実性・人脈・愛情表現。 |
10種類に分けたのが「通変星」です。
3. 十ある通変星の性格イメージ
| 星名 | 読み方 | 意味・特徴 |
|---|---|---|
| 比肩 | ひけん | 自立・意志が強い・一匹狼的。 |
| 劫財 | ごうざい | 仲間意識・競争心・行動力。時にライバル。 |
| 食神 | しょくじん | のんびり・温厚・芸術的才能・衣食住に恵まれる。 |
| 傷官 | しょうかん | 批判精神・感性鋭い・表現力豊か・完璧主義。 |
| 偏財 | へんざい | 社交的・人脈広い・サービス精神・恋多き。 |
| 正財 | せいざい | 現実的・堅実・家庭的・信頼される。 |
| 偏官 | へんかん | 行動的・リーダー型・スリルを求める。 |
| 正官 | せいかん | 責任感・秩序・まじめ・社会的信用を重んじる。 |
| 偏印 | へんいん | 独創的・直感型・スピリチュアルな感性。 |
| 印綬 | いんじゅ | 知識・母性・学問好き・教育者タイプ。 |
同じ五行でも、「正」と「偏」で性質が変わります。
-
「正」:安定・秩序・正統派
-
「偏」:自由・個性・変化を好む
命式には、これら10の星がどこに位置しているかが示されます。
星の配置により、性格や人生テーマが立体的に浮かび上がるのです。
4. 十二運とは
十二運は、生命エネルギーの強弱や活動状態を表します。
日主が命式内でどの段階にあるかによって、
その時期や場所での“気の勢い”を読むことができます。
これは「五行の季節的な流れ(誕生→成長→衰退→再生)」を
12段階に細分化した考え方です。
5. 十二運の一覧とイメージ
| 十二運 | 読み方 | 意味・イメージ |
|---|---|---|
| 長生 | ちょうせい | 生まれたての命。新しい環境で伸びる力。若々しさ。 |
| 沐浴 | もくよく | 思春期のような不安定期。感情・恋愛・変化。 |
| 冠帯 | かんたい | 成熟・自信・名声。社会的評価を得る。 |
| 建禄 | けんろく | 充実期。最も力が強い。自立・活動的。 |
| 帝旺 | ていおう | 絶頂期。支配・指導力・誇り高い。 |
| 衰 | すい | 体力・気力が少し落ち着く時期。思慮深くなる。 |
| 病 | びょう | 繊細・感受性豊か・人の心を理解する力。 |
| 死 | し | 過去を整理する時。心の変化が起こる。 |
| 墓 | ぼ | 集中力。研究・内省・過去との縁。 |
| 絶 | ぜつ | リセット期。古い縁を手放し再出発。 |
| 胎 | たい | 新しい可能性が芽生える時。柔軟で吸収力が高い。 |
| 養 | よう | 学びと準備の段階。保護されながら育つ。 |
この12段階を、命式中の地支ごとに照らしてみると、
「どの部分が勢いがあるか」「どの部分が休んでいるか」が一目でわかります。
6. 通変星 × 十二運で人を立体的に読む
命式を深く読むコツは、通変星の性質+十二運の勢いを組み合わせることです。
たとえば:
-
「傷官+帝旺」→ カリスマ性・強烈な自己表現。芸能向き。
-
「正財+衰」 → 堅実で慎重。晩成型で安定運。
-
「偏印+墓」 → 芸術・占い・研究など精神性の高い世界に適す。
-
「比肩+建禄」→ 独立運が強く、起業や自営業に向く。
このように、星と十二運をセットで読むことで、
「その人がどんな分野で力を発揮しやすいか」
「人生のどの時期に輝くか」が分かってきます。
7. 通変星は“心の地図”であり、十二運は“気の流れ”
四柱推命では、通変星を心理的傾向、
十二運を行動的エネルギーの流れと考えます。
命式の中でどの星が強く、どの運が勢いを持つかを理解すれば、
「自分がなぜこの性格で、この時期に変化を迎えるのか」が腑に落ちるようになります。
占いの目的は未来を当てることではなく、
自分という宇宙を知ることにあります。
🌕まとめ
-
通変星は、日主と他の干との関係から生まれる「心理の星」。
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十通変星は、性格・才能・人間関係を表す。
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十二運は、生命エネルギーの強弱・行動の勢いを表す。
-
通変星+十二運の組み合わせで、命式が立体的に見えてくる。
-
自分を知ることが、四柱推命の第一歩であり最大の開運法。
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📘次回・第4講では、
「命式のバランスの見方」―
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四柱推命の核心に進みます。
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