📘 第11講:大運の読み方 — 人生の流れを読む核心技法
四柱推命が「人生の設計図」と呼ばれるのは、
大運(10年ごとの運勢の流れ) を読むことができるからです。
実際の鑑定では、
命式80%、大運20%
といわれるほど、大運は人生の方向性を左右する重要パートです。
① 大運とは何か?
大運とは、10年単位で巡る運勢の流れ。
出生時の「性別」「日柱の陰陽」で、大運の開始年齢が決まり、
その後は10年ごとに五行が移り変わります。
② 大運の開始年齢の出し方(重要)
東アジアの流派の多くが
節入り(立春・立夏など) を基準にします。
計算方法(簡易版):
男性・日干が陽(甲丙戊庚壬) → 順行
生まれた季節から「次の節入り」までの日数を使う
女性・日干が陰(乙丁己辛癸) → 順行
男性・日干が陰 → 逆行
女性・日干が陽 → 逆行
※細かい計算方法は後の講義にて
(プロ鑑定では節気表で割り出します)
③ 大運を見るポイント(プロ鑑定の基準)
大運を見るときに重要なのはこの4つ:
【1)大運干支の五行が命式とどう絡むか?】
例:命式が火・土ばかりで暑い
→ 大運で水が回ると一気にバランスが取れる
→ 仕事・健康が安定する
例:身弱で印が必要
→ 印の大運が来ると才能開花
【2)大運の十干が命式のどこの天干に干合するか?】
例:大運の「壬」が来る
→ natal命造の「丙」と冲する
→ 水剋火
→ 形がない五行同士の剋のため予測や解決が難しいので玄空飛星派風水を活用しなければいけない。
干合・冲は大運読みでも極めて重要。
【3)大運の十二支が命式の地支とどう絡むか?】
-
三合
-
方合
-
冲
-
刑
-
破
-
害
これが大運の読みの醍醐味。
例:命式
申子辰(北方三合)
→ 水局三合で強烈な水
→ 水が喜神は良い大運になる。土の五行による方向性が必要だ。灌漑水路のように。
例:大運の「午」が来る
→ 命造の「子」と冲
→ 帝旺どうしの冲は難解である。恋愛に難がある。
【4)大運が“用神か忌神”か?
ここが最も大事です。
● 用神の大運
-
開運
-
出世・昇格
-
結婚
-
財運増
-
才能開花
● 忌神の大運
-
体調不安
-
疲労・ストレス
-
人間関係の圧迫
-
仕事の変化
-
家庭のトラブル
④ 大運の読みのコツ(プロの実践)
① 干支は必ず「天干→地支」の順で読む
天の気(天干)は外的、見える運勢。
地の気(地支)は内的、根本的。
例:大運「丙申」
-
丙(火) → 仕事・評価・名誉
-
申(金) → 環境の変化・体調・親族など
② 大運の影響は「前半5年」「後半5年」で変わる
前半は天干が強い
後半は地支の影響が出てくる
と読む流派が一般的。
③ 大運は命式の次に強い力を持つ
大運>流年>月令(元々の命式の季節)
特に
干合・冲が起きる大運 は要注意。
⑤ 大運 × 身強・身弱で人生の地図が分かる
大運の読みは、
全講義の中で最も重要な基礎です。
● 身強の人が比劫の大運に入る
→ 意地を張って失敗しやすい(破財・孤独)
● 身弱の人が財星や官殺の大運に入る
→ 大きなストレス(重責・疲労・潰れやすい)
● 身弱の人×印星の大運
→ 助けられて開運、才能伸びる
● 身強の人×財の大運
→ 自力が生かされ商売成功
⑥ 大運と人生イベントの関係(一般例)
| 大運の五行 | 起きやすい出来事 |
|---|---|
| 比肩・劫財 | 独立・転職・離別・自立 |
| 食神・傷官 | 表現・創作・出産・自由・副業 |
| 正財・偏財 | 結婚・収入増・商売繁栄 |
| 偏官(七殺) | トラブル・変化・勝負・ハードワーク |
| 正官 | 昇格・結婚・安定・信頼 |
| 印綬 | 学び・資格・救助・癒し・母性 |
| 偏印 | アイデア・直感・放浪・精神世界 |
⑦ 第11講まとめ
✔ 大運は人生の「10年ごとのテーマ」を示す
✔ 大運は天干と地支を分けて読む
✔ 命式とぶつかる(合・冲・刑)と強い作用が出る
✔ 用神の大運 → 開運
✔ 忌神の大運 → 調整・注意が必要
✔ 身強身弱の判断が大運に大きく影響する
大運を読めると、
人生の波が手に取るように見えるようになります。
次回予告:第12講の内容
流年(年運)の読み方
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