四柱推命・第14講
生まれ月(季節)と命造の秘密
— 月令が人生を決める —
四柱推命で最も重要な柱はどれでしょうか?
もちろん年柱・月柱・日柱・時柱それぞれに役割があります。しかし、命造の中心軸となるのは「月柱」、さらにその中でも 十二支=生まれ月(季節)が司る“月令(げつれい)” です。
1. 月令とは何か?
月令とは──
生まれた月が持つ季節の気(き)の力
その気が、日主(あなた自身)を助けたり、攻めたり、過不足をつくり出す
四柱推命は「天文学」です。統計学とみる人は調べもせず思いつきで語っています。
だから「運勢の季節」が命式のエネルギーの基盤を決めます。
たとえば同じ「甲木の人」でも、季節が違えばまったく性格も適性も異なります。
2. 五行は季節と深く結びついている
| 季節 | 司る五行 | その意味 |
|---|---|---|
| 春(寅・卯) | 木 | 伸びる・始まる・発展 |
| 夏(巳・午) | 火 | 情熱・行動・上昇 |
| 秋(申・酉) | 金 | 収穫・決断・整理 |
| 冬(亥・子) | 水 | 知恵・冷静・準備 |
この「季節五行」が、日主の強弱や性質を根本から左右します。
3. 日主の強弱は“季節”でまず判断せよ
同じ日主でも、季節(生まれ月)により気が変わります。
●例:甲木(おおきな樹木)
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春生まれ(寅・卯)
→ すでに成長エネルギーが満ちている。自信あり、伸びるタイプ -
夏生まれ(巳・午)
→ 火の過剰で乾きやすく「燥」。水(知恵・冷静)が必要 -
秋生まれ(申・酉)
→ 金の斧で刻まれ「弱」。助ける木や水が必要 -
冬生まれ(亥・子)
→ 水の気を吸い上げて生命力ある「強」。火で温めてバランス良化 土旺生まれ
→口伝
同じ甲木でも季節により、まるで違う人生観が生まれます。
4. 月令は「用神選定」の基準にもなる
用神(命式のバランスを整える五行)は
まず月令の気を見て決めるのが原則です。
▼月令が強すぎる例
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春 → 木が強すぎる
-
夏 → 火が強すぎる
-
秋 → 金が強すぎる
-
冬 → 水が強すぎる
土旺用事→土が強すぎる。
この場合は、
その季節五行と“漏洩または相剋する五行”が用神候補 になります。
例)夏(火旺)の人 → 土に漏らす。水は調候になるが水剋火の戦いになり辛いところ。
※例えて 「夏はクーラーの電気代を節約できる珪藻土の壁にする」など
命造に戊己、辰丑があると八字化解は体感で効果を感じられる。八字化解は玄空飛星派風水の鑑定を受けた方のみ別途有料にて講義します。
5. 逆に月令が弱い場合
特に「季節の終わりの月」(辰・未・戌・丑)は
季節の気が混じっており安定しない。
そのため、
「命式全体の五行バランス」を重視して用神を決めます。
例)未月(夏の終わり)は火+土+少し木が混ざる → 日主の強弱を慎重に判断
6. 月令と“調候用神”
調候とは、
命式に“季節の気候”を調整して快適にする作業
季節偏りを整える、四柱推命の重要技術です。
▼季節別の調候用神
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春は「火」 → 温めて芽吹きを助ける
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夏は「水」 → 熱を冷まし潤いを与える
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秋は「火」 → 肌寒さを温める
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冬は「火」 → 寒さを和らげる(最重要)
結局、火と水が調候の主役になります。
7. 生まれ月(季節)が人生全体に与える影響
◎性格
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春 → 活発、伸びたい気質
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夏 → 情熱・行動型
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秋 → 理性・判断力
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冬 → 知性・慎重さ
◎適職
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春 → 教育、企画、クリエイティブ
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夏 → 営業、芸能、スポーツ
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秋 → 分析、専門職、法務
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冬 → 研究、IT、カウンセリング
紫微斗数を兼用し化禄がつく主星とその宮を詳らかに観察する。さらには断易を活用する。
◎人間関係
季節違いの人同士は“気質がズレる”。
特に 春 vs 秋、夏 vs 冬 は真逆の性質。
しかし、逆に補い合える関係にもなる。
8. 簡易実例:生まれ月だけでこんなに違う
同じ日主「丙火」でも…
●丙火・午月(夏)
火が最旺
→ 情熱・行動が過剰
→ 調候としての「水」
→ バランスをとれば大成
●丙火・寅月(春)
火の力がまだ弱いが木火通明となりえる。
→ 木(成長)を味方にしながら火が強まる
→ 明るく柔軟でクリエイティブ
●丙火・酉月(秋)
金旺で火が弱い
→ 自信不足になりやすい
→ 木と火で補うと一気に開花
●丙火・子月(冬)
冬の太陽なので暖かい日でも小春日和程度である。
→ 温める火が必須
→ 人生にブレが出るが、火を得ると天才肌に転換
まとめ:生まれ月は命式の“季節のOS”である
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月令は命式の中心
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日主の強弱は季節でまず判断
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用神の決定に大きく関わる
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調候では火と水が最重要
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季節が違えば同じ日主でも性格・運命が変わる
四柱推命は 季節と生命エネルギーの学問 です。
その核心が「生まれ月=月令(もしくは司令)」にあります。
次の講義は
第15講:格局②「従旺格・従強格・従勢格の秘密」
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